G.W.も終わり、ビアガーデンも徐々にオープンし、梅雨を過ぎればさぁ夏だ!
と楽しみにしている方もいらっしゃると思います。
今日は今の季節にちょっとだけ頭に入れておいて欲しい危ない感染症についてお話します。
それはマダニ感染症です。
マダニ感染症とは
マダニ感染症とは、主に野山に生息しているマダニに刺されることで起こる感染症です。
原因としては特定のウイルスや細菌を持っているマダニによるもので
日本紅斑熱、ライム病、回帰熱などの病気などがあります。
そしてそれらの中でも今、非常に危険な病気が重症熱性血小板減少症(SFTS)です。
重症熱性血小板減少症(SFTS)はどういうもの
SFTSは、2011年に中国で発見された新しい病気で
重症熱性血小板減少症(SFTS)のウイルスを持ったマダニが媒介しています。
この病気はその名の通り、血液を固める作用のある血小板と白血球の減少が
発生し、感染すると6~14日間の潜伏期間を経て下記のような症状が出ます。
・発熱
・下痢、腹痛、嘔吐(おうと)
・筋肉痛、意識障害、失語
・咳
・下血などの出血症状
非常に危険なのは現在、このウイルスに対する治療薬やワクチンがなく、
重症の場合は死に至る危険性があるからなんです。
(上:フタトゲチマダニ 下:タカサゴキララマダニ)
体長は3-8ミリくらい
(出典:重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A|厚生労働省 )
あの有名人も
そんな野山なんて行かないし、俺は都会人だから大丈夫だ!
というあなたへ。
カナダのロック歌手、アヴリル・ラヴィーンさんは、
2014年の春にマダニに刺された後、ライム病となり
5ヵ月間に渡り、寝たきりになったそうです。
その後、雑誌のインタビューに「死ぬかと思った」と語ってます。
誰にでも感染する危険性はあるわけです。
( 参考:アヴリル・ラヴィーンがライム病で5か月闘病 「死ぬかと思った」 - ライブドアニュース )
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人から人への感染は?
感染症というと、インフルエンザの流行のように心配になると思いますが、
この病気は飛沫感染、空気感染などはしないので基本的には
人から人への感染するものではないとされています。
極度に恐れることはありませんが、注意は必要です。
国内の調査では患者の年齢は60歳以上が大多数ですが、
これは野山に入る人に高齢者が多いことによるものも
大きいと思われ、実際に20代、30代にも感染例が出ています。
今の状況は
時期としては気温が上昇してマダニの活動が活発になる5月から8月に多く
既にその時期に入っています。
感染症発生動向調査によると、今年4月8日までに愛媛県、宮崎県、高知県、鹿児島県、徳島県など西日本の15県で110人が 発症している。
(出典:致死率29%! 治療薬がない「マダニ感染症」の予防法:PRESIDENT Online - プレジデント )
気をつける場所は
どこにいても注意は必要です。
自然: マダニを運ぶシカ、イノシシ、野ウサギといった野生動物が
生息するような野山や田畑のあぜ道、河川敷。
都会: 市街地の公園などを含めて草むらのある場所。ペットからの感染にも注意。
自然以外の街中やペットからの感染もありえるので十分注意する必要があります。
これからの対策まとめ
対策は原因となるウイルスや細菌を保有するマダニに吸血されないようにすること。
服装について
・できるだけ肌の露出を避ける。
⇒ 帽子、長袖長ズボン、薄手の手袋や軍手、長靴やトレッキングシューズなど
・首もかまれやすい
⇒ タオルやスカーフなどを巻いたり、ハイネックのシャツを着用。
・ズボンの裾を長靴や靴下に入れて足首も露出しないようにすること。
・衣服にスプレーする虫除けの忌避剤(医薬品)にも一定の効果があります。
ちゃんと確認する
・衣服についていても慌てずに、ガムテープなどで取り除く。
・屋外から室内、テントなどに入る際や、シャワーや入浴の際は
マダニが体についていないかチェックすることが重要。
そしてもし、マダニに刺されたことに気がついても
ムリに取り除こうとしてはいけません。
指などで強引に取り除こうとすると、体の一部が皮膚に残ってしまったり
逆にマダニの体液が身体に付着し、感染する恐れもあるので
基本的には皮膚科のある医療機関で処置することをオススメします。
但し、緊急事態には病院に行けない場合もあるので
その際はワセリンを使って次の対処をしましょう!
ワセリン法(夏秋法)
① ワセリンでダニの虫体ごと刺咬部を被覆する
② 30分間放置する
③ ガーゼや布で拭き取る(窒息してマダニが取れる)
(出典:広島県立総合技術研究所 保健環境センター )
また冒頭のような体の症状が出たら、内科の医療機関に行き
マダニに刺された旨をきちんと伝えるようにしましょう。
気持ちが開放的になるこれからの季節、自然の脅威も
頭の片隅に入れたうえでレジャーを満喫しましょう!
(参考:国立感染症研究所 マダニ対策、今できること )